2025年12月13日に名古屋で開催された第51回東海花粉症研究会での発表内容です
耳鼻咽喉科みやこクリニックでは、2026年のスギ花粉飛散数は、2月と3月の降水量が少なければ6,000個/㎠以上の大量飛散を予測しております。
2025年のスギ花粉 飛散総数は 3,756個で、例年を400個ほど上回りました。2024年夏が花粉生育に良い条件でしたので4,000程度と予測しており、概ね合致しました。飛散開始は2月25日、ピークは3月13日の631個でした。ヒノキ花粉
飛散総数 は 1,405個で、例年より400以上少なく、飛散開始はやや早い3月21日、ピークは4月8日の337個でした。
ウエザーニュース社のポールンロボとの対比です。概ね合致しているように思われますが、スギのピーク2峰目と、ヒノキの後半のシンクロ率がやや低かったように見受けます。
2月から4月までの名古屋の降水量を、2024年と2025年で比較しております。昨年24年は多く、今年は少なく、2.3倍の開きがありました。
昨年2024年の降水量に、昨年飛散したスギ・ヒノキのグラフを重ねます。降水量が多かったため、花粉が抑えられた可能性が示唆されます。2023年の夏は暑く降水量が少なかったため、24年は6,000以上の大量飛散を予測しておりましたが、実際には2,800程度にとどまりました。
同様に、今年の降水量グラフに、花粉飛散を重ねてみます。3月までの降水量が少なく、予測に近いスギ花粉が飛散したと考えられます。4月中旬にまとまった雨が降り、ヒノキが伸び悩みました。
左のグラフは2月と3月の降水量のグラフです。多い年の順に並べています。2024年は歴代最多、25年は最少で、この2年は対照的でした。右のグラフは縦軸にスギ花粉飛散数、横軸に降水量をとり、観測年をプロットしました。相関はありませんが、大量飛散年は降水量が少ない傾向にあります。
2009年からの飛散結果と降水量です。花粉が多い年は降水量が少なく、花粉が少ない年は降水量は多いような傾向を認めます。今年の降水量は少なく、スギ花粉は例年以上の飛散となりました。
ヒノキ花粉のピークを10日過ぎた4月18日に46.8%の花粉爆発を認めました。花粉破裂が正しいかもしれません。雨が降っていないにもかかわらず半数に近い花粉の破壊が認められPM2.5による影響が考えられました。
7月と8月の日照時間を降水量で割った指数を縦軸に、日照時間を横軸にして、観測してきた18年をプロットしました。概ね2群に別れ、日照時間が多く-降水量が少ない花粉生育-好年群では、翌年春の花粉数が4,460個、一方、悪年群は2,289個、t検定にて有意差を認めました。2025年の7・8月は日照時間が長く、降水量が少なく、花粉生育に最高の条件でした。来年2月と3月の降水量が少なければ、過去の経験値から、スギ花粉は6,000個/㎠以上の大量飛散になると予測されます。
2025年7月の気象と1月・3月降水量の平均値を用いて、2026年のスギ花粉飛散数予測を行ないました。生成AIのMicrosoft Copilot に過去18年間の気象データを入力したところ、7月の5項目、1月および3月の降水量と花粉飛散数との相関が高く、この様な計算式ができました。モデル評価も概ね良好と示されてはおります。この計算式から2026年のスギの予測値は6,600個で、前スライドで示した過去の経験値と概ね合致しました。2月の降水量が重要としながらも、この式に含まれなかったこと、7月の気象項目と内容を吟味していくことなど、今後の検証が不可欠です。
11月の平均気温、最高気温、日照率と、スギ花粉飛散開始日をAIに入力し、重回帰分析を行なったところ、2026年のスギ飛散開始は、平均日より1日早い、2月17日となりました。
スギ花粉飛散開始日・飛散ピーク日とも少しずつ早まる傾向にありますので、AIが算出した2月17日は、平均日より1日早く、リーズナブルな印象を受けますが、一方で、相関は無いものの、11月の花粉が多いと開始日は遅くなる傾向を認めております。今年の11月のスギ花粉は24個で平均より10個多かったため、平均日の2月18日より遅れる可能性が考えられます。
